飼育係のasazooブログ! 動物の様子や飼育の話題など安佐動物公園の日々の様子を飼育係がお届けします!

2014/12/12エンリッチメント大賞 授賞式に参加!

『オオサンショウウオの継続的な飼育下繁殖と域内保全への適用』というタイトルで、安佐動物公園のオオサンショウウオがエンリッチメント大賞を受賞しました!

これは、市民ZOOネットワークが、エンリッチメントに取り組む動物園や飼育担当者を応援すると同時に、来園者である市民がエンリッチメントを正しく理解・評価することにより、市民と動物園をつなぎ、市民の動物園に対する意識を高めることを目指して、2002年度より実施しているものです(http://www.zoo-net.org/enrichment/award.html)。

 

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 “エンリッチメント”という言葉は、聞きなれない方も多いかもしれません。直訳すると、リッチにすること、という意味になります。何をリッチにするのでしょうか。それは、動物たちの飼育環境をリッチにする、つまり、飼育環境の質を高めていくということです。

 

 安佐動物公園では、飼育環境をいろいろ工夫して、他の動物園・水族館が未だ成功していない飼育下繁殖に1979年から成功しており、これまで94例の産卵実績をもっています。さらに、それらのデータをさまざまな機会で発表してきたことや、調査地で人工巣穴を設置し、地元の方と一緒に保全活動をしてきたこと、海外の関係者とも積極的に情報交換していることなど、飼育下だけでなく生息地のエンリッチメントにも貢献していることが評価されたと言えます(http://www.zoo-net.org/enrichment/award/2014/)。

 

 さて、12月6日に東京大学の弥生講堂にて、エンリッチメント大賞の授賞式と受賞講演がありました。授賞式では素晴らしい楯もいただいたのですが、雰囲気のある木の楯板に、黄金に輝く表彰版が取りつけられ、さらに堂々としたオオサンショウウオがデーンと大きく描かれているのです! 受賞講演も行い、参加者の方々から、改めて安佐動物公園の取り組みの素晴らしさについて数々のうれしいお言葉もいただくことができました。

 

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 広島市安佐動物公園は、小原二郎初代園長のリーダーシップのもとでオオサンショウウオ・チームが結成され、精力的にオオサンショウウオの飼育下繁殖、調査・研究、教育・保全活動を展開してきました。40年以上にわたって、これらの活動が継続されてきたことは、他の動物園・水族館にもなかなか真似できない偉大な業績です。これからも、オオサンショウウオ・チームで、日本の動物園・水族館だけでなく、世界の関係機関をリードする活動を継続させていきたいと思います。最後に、小原さんの言葉を引用させていただきます。

 

「野生動物の種の保存に関して有力な拠点となり、自然保護については先進的な研究が行われ、その地方にいる生物に関するあらゆる情報を集め、また啓蒙活動に有効な力を発揮できるようにしたい。<中略>  新たに開園する安佐動物公園の仕事として、特別天然記念物オオサンショウウオに関するあらゆる情報を集め、それを正しく理解した上で、一般の人びとにも還元しようと思い立った。(小原 1985 「大山椒魚」)」


 (※写真提供: 市民ZOOネットワーク)

たろ