飼育係のasazooブログ! 動物の様子や飼育の話題など安佐動物公園の日々の様子を飼育係がお届けします!

2018/12/02アマエル子育て中

11月の「ネコ月間」の話、その2です。

隣のトラ・ヒョウ舎で、3つの引っ越しにドタバタしているさなか、

こちらライオン舎ではメスのエルとアマレットが子育ての真っ最中でした。

エルが9月29日(オスの子2頭)、アマレットが10月16日(メスの子1頭)にそれぞれ出産しまして、

今では互いにどちらの子も分け隔てなく育てている感じです。

お父さんは当園生まれのリク(11歳)で、遅い春がやってきました。

エルもアマレットも富士サファリパーク出身で2歳半です。

2頭とも今回が初めての出産で、順調にいけば、

当園では11年ぶり(ソラ・リク以来)の繁殖成功ということになります。

体にはまだこどもの時に特有のヒョウ柄模様が残っているメスたちですが、

しっかり「お母さん」しております。

 

お母さんのエル(右)とアマレット(左).jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お母さんのアマレット(左)と

エル(右)

 

 

アマエルは人工哺育で育ったうえに温和な性格なためか、

初出産にもかかわらずピリピリせずに、担当にも子育ての様子を見せてくれます。

ネコの仲間の出産・育児中はなかなかこうはいかないものです。

わたしも良い経験を毎日積ませてもらってます。

 

動画をどうぞ☟

 

 

 

s-IMG_2133エルの子2頭.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは最初に生まれた

エルっちの子。

 

 

子の大きさは500mlのペットボトルくらいです。

その2週間チョイ後に今度はアマレっちゃんが出産。

 

 

ss-2018ライオン繁殖_3頭.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どんどん大きくなる3頭。

毎日バキュンバキュン

撃たれていますぅ♥

s-アマレット授乳.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どちらかというと、子育てには

アマレっちゃんの方が積極的

です。姉の子も自分の子も

分け隔てなく授乳してます。

 

 

野生では、メスはプライド(家族の群)を離れて出産し、

ある程度こどもが育ってからプライド(家族の群)に合流するようです。

そう考えると、生後間もなくからおばに乳をもらうこの子たちは、

動物園ならではと言えそうです。

 

ss-IMG_2722注射2.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これも動物園ならでは。

ワクチン接種とマイクロ

チップ登録のための

注射をします。

 

s-DSC_0036注射1.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迫りくる人間に固まる

あに・いもうと」

 

 

このライオン出産のニュース、11月20日に発表されたんですが、

発表までの51日間、メス2頭が夕方にしか運動場に出てこないのを

不審に思われた方もおられたかと思います。

じつはこんなコトになっとったんですナー。

さて、運動場デビューですが、当面は様子を見ながらにしようと思います。

問題は3つあります。

 

①運動場に段差が多いこと。

s運動場の段差.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

段差を登って部屋に帰って来れるくらいの

体の大きさにならなければなりません。

 

 

②運動場には深い空堀(別名:千尋の谷)があります。

アマ、モートに落ちた 2.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

谷底はわりとクッションが

効いていますが、落ちるのは

やはり心配です。

 

この階段を上る.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、谷底から運動場に戻る

ためには、段差の大きな階段

を上らなくてはなりません。

一段一段を上れるくらいの体

の大きさが必要です。

 

 

③これからどんどん寒くなります。冬の寒さに耐えられるくらいの体力をつけなければなりません。

 

運動場デビューの日までみなさんにお見せできないのは何ともさみしいので、

子育ての様子を見ていただけるように何某かの方法を考え中です。

うまくいったらまたお知らせいたしますね。

(ガタ)