2019/09/12モグモグ
以前ツイッターで紹介したニホンカモシカのモグモグ動画。「よくかんで食べなさい。」と言われて育ったわけではないのに、しっかりかんでますよね。
実はあれは反芻(はんすう)といって、一度食べた物を口の中に吐き戻してかみなおす行動をしていたところなのです。反芻は、主に偶蹄目(ぐうていもく)という蹄の数が偶数という特徴を持つ哺乳類が行なう行動です(ただし偶蹄目でもイノシシなど反芻しないものもいます)。
ニホンカモシカの胃は4つの室に分かれていて、第1胃から第3胃までは食道が変化したもので、第4胃が消化を行なう本当の胃です。胃の中にはたくさんの微生物が生息していて、その微生物に食べた物を発酵してもらうことで、通常は消化する事ができない植物の組織を溶かすことができます。その微生物が働きやすくするために、反芻により何度もかんで食べ物を細かくして、だ液を混ぜて胃に送ります。
こんなふうにまわりに食べ物がない岩の上などで、リラックスしてモグモグしていたら、反芻しているんだな~と思ってください
ちなみに、キリンも反芻する動物です。キリンは首が長いので、反芻中は食べた物が首の中を上がったり下りたりしているのが見えることがあります。機会があれば観察してみてください。