ラクダはウシやシカと同じく反芻をする動物です。反芻というのは胃袋の中味を口に戻して噛み返しをすることです。ラクダの胃袋は4つに分かれています。大人が丸まったくらいの大きさがあるのが第一胃。この第一胃は食べた草を微生物が分解してくれる場所なのです。ラクダは巨大な発酵タンクを持っている動物といえます。微生物や原虫が繊維を分解しやすいように、何度も草を口に戻しては細かく噛み砕いているのです。ラクダが休んでいるときには下顎を左右に動かしてもぐもぐする姿がよく見られます。
石をなめると健康になる。というわけなのか石垣の石をなめる行動がよく見られます。ラクダにはちゃんと鉱塩というのを与えています。塩、ミネラルがたっぷりの塊です。ミネラル、つまり鉄や亜鉛、コバルトなどは微量でよいのですが体になくてはならないものです。鉱塩の方もなめているのに、まだ足らないので石をなめるのでしょうか。それとも丸い石の舌触りがなんともいえなくよいのでしょうか。飼育係としては石に執着しないで鉱塩の方をなめてほしいのですが・・・。
本文にもありましたが、ラクダの鼻は閉じることができます。確かに閉じれば砂嵐のときでも砂を吸い込むことがなくてよさそうです。でも砂嵐だといってもずっと鼻を閉じていたら、丈夫なラクダも息ができなくて死んでしまうでしょう。いったいどんなタイミングで鼻を閉じているのか、砂漠の砂嵐のときにラクダと付きあってみたいものです。
哺乳類の特徴の一つは体に毛が生えていること。人のように器用な手を持たない動物たちは背中がかゆいとたいへん。寝転がって地面にこすり付けてかいたり、体と首をまげて口先でかいたり、涙ぐましい努力です。そこで背かき棒を設置してやりました。もちろんラクダたちはよく利用してくれます。背中をかくばかりでなく、おいしいのかさかんに噛みつきます。棒がやせ細ると交換しなければならず、けっこう一仕事になります。