ナゴヤダルマガエルが減った主な原因

水田の消失

平坦な水田は宅地や商用地に転換利用されることが多い。

生息地前後の風景

ダルマガエルが住んでいた水田(左)が商業施設のため埋め立てられた(右)

減反政策で休耕したり高齢化により稲作が廃止されます。

稲作休耕田

米作りをしている水田(左)と休耕により湿地が消失した水田(右)

用水路の変化

かっては水田に水を入れるために土を掘り下げたり、盛り上げて水路を作っていました。 カエルたちは田に水がなくなっても、水のある水路に移動して生活することができました。

豊かな水路 水の流れが緩やかで草が茂り、容易に田と行き来できる。カエルたちが生 きていける水路。

 
現在、全国の水田では圃場整備が進み、水路は土からコンクリートとなり、水の管理が容易になり、田の水はけも良くなりました。
一方で、水路は雨の時は流れが速く、降水がないときは乾燥しカエルたちがすめない環境になってしまいました。またカエルがいったん水路に落ちると水田に戻 れなくなりました。

コンクリの水路 水路からあがれないカエル

(写真上)水路と田は完全に分断され、いったんカエルが水路に落ちると戻れず生きていけない水路。

圃場整備は主に冬期に行われ、大きな機械で田の土を掘り返します。冬眠中のカエルたちは寒空にほおりだされてしまいます。比較的寒さに強いアマガエ ルなどは掘り出さ れても、また土に潜っていけますが、ダルマガエルやトノサマガエルは再び土に潜ることができず、死んでしまいます

稲作りの変化

現在の稲作では、コシヒカリが圧倒的に多く作られています。このコシヒカリは栽培中に育ち過ぎて倒れやすいという欠点もあるため、苗がある程度成長 すると「中干し」という作業をします。
「中干し」は稲の株が成長する時に過剰に分株することを防ぐ効果と、根を地中にしっかりと張らせる効果があります。 コシヒカリの「中干し」の実施時期はダルマガエルがまだオタマジャクシの状態なので、そのまま干からびてしまいます。

中干し (写真左)中干しによって干からびかけているオタマジャクシ

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