オオサンショウウオは夜行性、調査は夜


野外調査
■ オオサンショウウオは深山の渓流にしか生息していないと思われがちですが、民家や水田に囲まれた里山の川に生息しています。安佐動物公園では主に広島県の山間部にある生息地で野外調査をしています。
■ オオサンショウウオは夜行性の動物なので、園内での仕事が終わってから調査地の川に出かけます。周囲が暗くなった午後8時ころから川に入り、約1kmの区間を川歩きして調査します。今までに約400回の野外調査をしてきました。
■ 夜間調査では同じ区間をオオサンショウウオを探して歩きます。同じ個体を捕まえる確率によって、その川にすんでいる数が推定できます。また、ある個体がどのくらいの範囲を行動圏としているかもつかむことができます。2003年からは、発見個体にマイクロチップを埋め込んで個体識別をしているため、調査も効果が上がっています。
■ オオサンショウウオを捕まえると全長や体重を計ります。ものさしを当てると嫌がってS字状になるので、半割にした透明な筒の中で落着かせて計ります。この特製の「全長測定器」のほか、体重計や水温計、個体識別のためにオオサンショウウオに埋め込んだマイクロチップのリーダーなどたくさんの道具を持って、夜の川を歩いていきます。
■ 繁殖期になるとさらに、巣穴から卵を引出し産卵を確認する「引っかき棒」、卵が孵化し幼生がいるかどうか調べる「幼生確認器」、ときに巣穴から流れ出している卵を巣穴に戻す「卵返還機」など、安佐動物公園独自の手作り器具が追加されます。