外見からの性別判定は総排出孔が頼りだが・・・


性別判定
■ 雄は総排出孔の回りが繁殖シーズンになると膨らんできます。それ以外には外見で見分ける方法はありません。しかし、膨らんでいないのが雌とは限りません。
*総排出孔:鳥や爬虫類、両生類などはウンチもオシッコも卵もみんなこの穴から出ます。

オオサンショウウオの内視鏡による性別判定


■この風景、何をしているところだと思いますか?
オオサンショウウオは、特別な場合を除いて外見からオスなのかメスなのか判りません。どうしても性別が知りたいときは、このようにおなかの中を見ます。

「何が見えるかって?」 オオサンショウウオはおなかの中に生殖器を持っています。オスは精巣、メスは卵巣を持っています。その生殖器を直接的に見ているのです。当然、おなかの中に内視鏡を挿し込みますから、オオサンショウウオは全身麻酔しています。

*特別な場合とは
繁殖シーズンを迎えた時期に、生殖可能(精子を放出できる)なオスの総排泄口周囲が隆起します。この時期に総排泄口を見て隆起していればオスですが、隆起していないからメスとは限りません。

■どんな風に見えるか
特徴 内視鏡写真 解剖写真(参考)
●めす
ある程度発達した卵巣は、オレンジ色の真珠様の塊として見えます。
●おす
黄白色の白子のように見えます。

■判定時期について
オオサンショウウオは8月から9月にかけて繁殖します。ですから、その時期におなかの中を覗くとメスではたくさんの卵塊が、オスでは大きな精巣が見えます。しかし、繁殖シーズンから離れた2月や3月などにおなかの中を覗いたら、卵巣も精巣も小さくなっていて性別判定に迷うこともあります。