もうすぐ卵から出てひとり立ち


飼育下繁殖

野外調査の知見を飼育下繁殖に生かす

■ 野外での調査活動により、オオサンショウウオは繁殖期になると少し上流の繁殖巣穴へと集まり、雄・雌複数で産卵をすることが確認されました。この産卵のための行動を引き出すことと、繁殖巣穴の構造を再現することが飼育下での繁殖への鍵であると考え、繁殖用の飼育施設を考えました。
■ 写真のように水槽を板で2つにしきり、半分に蓋をして直射日光のあたらない川岸の巣穴とし、もう半分は金網の蓋として光のあたる川としました。川岸の部分には入り口が1つで、トンネルが続き、奥に広間がある自然の産卵巣穴と同じ構造が作られています。このタイプの水槽を4個つなぐことによりオオサンショウウオはぐるぐる回ることができ、遡上行動を満足させることができます。同時に川岸部にある好 みの巣穴を選ぶことができます。

 
■ 1971年に2頭の飼育を始めてから8年後の1979年に初めてオオサンショウウオの飼育下での繁殖に成功しました。新しい四連水槽。1902年にアムステルダム動物園で産卵して以来の3/4世紀ぶりの快挙です。

オオサンショウウオの保護増殖施設(非公開)

■ 1997年には文化庁の補助を受けて新しい保護増殖施設が完成しまし た。この水槽でも以前の方法を応用することによって翌年の1998年から毎年繁殖しています。

■ 安佐動物公園では繁殖した卵の一部を毎年9月中旬からぴーちくパーク内の「どうぶつ子育ての家」で展示しています。卵の発生や、運がよければふ化の瞬間も観察できます。オオサンショウウ オの卵の発生を見られるのも、おそらく世界で安佐動物公園だけなので、ぜひ見に来てくださ い。
■オオサンショウウオ ふ化の瞬間の撮影に成功しました。



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■ 2006年11月12日に、オオサンショウウオのふ化の瞬間の撮影に成功しました。上のリンクをクリックすると、約2分の動画がごらんいただけます。