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2021/05/18アミメキリンのキリコについて

 キリコは昨年2月に右後肢の足根関節部を脱臼した疑いがあり、ほとんど歩けなくなりました。大型の動物が歩けなくなると生きていけません。キリコにはできる限り長生きして欲しいと願い、麻酔をかけてギプス固定することにしました。キリンの麻酔はとても危険な処置ですが、脱臼であればギプス固定である程度治癒が見込めると思ったからです。そして、麻酔によるギプス固定は成功して、歩く際の不自由さは残りましたが、これまでは生活に大きな支障なく穏やかに過ごして来ました。


 通常ギプスは数ヵ月で外しますが、キリコが高齢であり関節が安定するまでに時間がかかる可能性が高かったこと、さらにはキリンの足先には筋肉がないためにギプスが緩むなどの不具合がおこる可能性が低いことから、長期間のギプス装着を計画しました。


 しかし、数ヵ月前から徐々に左前肢の先の部分(球節)が不自然な方向へ曲がるようになり、その状態がだんだん目立つようになってきました。右後肢を庇って歩くために、左前肢に負担がかかりすぎてきたのだと思います。さらに、数日前より右後肢のギプスがずれたため足先を圧迫して痛みを生じるようで、右後肢の負重ができない状態となってしまいました。

 左前肢にギプスを装着することも検討しましたが、前肢の足先をギプスで固めてしまうとキリンは座ることができなくなることから選択することはできません。しかしこのままでは、いずれ球節部分で骨折し、さらに苦痛を与えることになってしまいます。そのため、これ以上、高齢のキリコに苦痛を与えることは動物福祉上、良くないと判断して5月17日に安楽殺を選択しました。

 

 その後に検査したところ、右後肢は骨折しており、ギプスを外すことはできなかったこと、また、左前肢も骨折していたことが確認されました。
 このような事態の背景には、蹄が伸び過ぎる過長蹄や変形蹄が一つの要因として考えられることから、今後のキリンの飼育においては、これまで以上に蹄の管理に注意したいと思います。


 これまで、キリコを応援してくださった皆様には残念なご報告となってしまいました。