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2021/07/07オオサンショウウオの共著論文が受理されました(7/7)
東邦大学理学部生物学科・広島大学両生類研究センター・安佐動物公園の研究グループは、オオサンショウウオの頭部骨格(頭骨)の発生過程を世界で初めて報告しました。この成果は2021年7月7日に英国の歴史ある動物学専門誌Zoological Journal of the Linnean Societyに掲載されました。
発表のポイント
- 安佐動物公園に保存された多数の標本を用いてオオサンショウウオの透明骨格標本(図)を作成し、頭骨の発生過程を世界で初めて報告しました。
- オオサンショウウオを含む4科4種のサンショウウオ類で頭骨発生過程を定量的に比較した結果、オオサンショウウオでは発生のより早い時期に頭骨が骨化を開始することと、成長の過程であごの関節が外側へ移動することで開口部が相対的に大きくなることが明らかになりました。
- 本研究で使用したオオサンショウウオの標本は、安佐動物公園が継続的な飼育下繁殖に成功し、長年かけて蓄積してきたものです。今回の成果により、動物園が所有する貴重な動物種標本の基礎研究における有用性と、動物園が博物学的な活動を続ける意義も示されたと言えます。
図.オオサンショウウオにおける頭骨の形成過程
特殊な薬剤を用いて、骨 (硬骨) を赤色に、軟骨を青色に染色した各発生段階の透明標本。スケールバーは1mm
詳細は下記の発表論文やウェブサイト等をご覧ください。
発表雑誌名 Zoological Journal of the Linnean Society(2021年7月7日オンライン掲載)
https://academic.oup.com/zoolinnean/advance-article-abstract/doi/10.1093/zoolinnean/zlab038/6317662?redirectedFrom=fulltext
論文タイトル Cranial skeletogenesis of one of the world's largest amphibians, Andrias japonicus, provides insight into ontogenetic adaptations for feeding in salamanders
著者 Kaoru Ishikawa, Yuki Taguchi, Ryomei Kobayashi, Wataru Anzai, Toshinori Hayashi, and Masayoshi Tokita