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2024/08/20日本初‼ マルミミゾウの妊娠について(8/21)
安佐動物公園では、この度マルミミゾウ(メイ 雌・推定25歳)の妊娠を確認しました。
マルミミゾウは、IUCNのレッドリストでは、CR(深刻な危機)に分類され、国内の動物園では当園の2頭しか飼育されていない大変希少な種です。種の保存のために飼育下で繁殖させることは動物園の重要な役割の一つであるため、令和4年(2022年)に秋吉台自然動物公園サファリランドから雄のダイ(推定25歳)を借り入れ、安佐動物公園での繁殖を目指してきました。なお、国内での妊娠は初となり、無事出産・子育てができるよう当園として、万全を期してまいります。
1 妊娠したマルミミゾウ
名 前 :メイ
年 齢 :推定25歳
来園日等 :平成13年(2001年)5月13日 推定2歳で西アフリカのブルキナファソから来園
2 これまでの経緯と妊娠の判断について
(1)経緯
令和4年(2022年)11月から雌雄同居を開始。メイの血中のホルモン値から発情時期を予測し、3か月ごとにダイとの同居を実施しました。
令和5年(2023年)6月1日に初めてマウントをし、同年12月8, 9日に交尾を確認しました。
(2)妊娠の判断について
交尾以降、予測される発情時期にメイの発情兆候とダイの反応が消失していること、定期的に測定している血液検査において、発情周期に合わせて濃度が増減する血中プロジェステロン濃度が低下せず、高値を保ち続けていること、また、通常は低値を示している血中プロラクチン値が徐々に上昇していることなど、妊娠の兆候が確認されました。
メイの血中プロジェステロン値の変化(模式図)
(2023年からのメイの血中プロジェステロン濃度の推移。発情周期に合わせて増減をしていたプロジェステロン値が、交尾が見られた2023年12月以降、高値を保っている。)
さらに令和6年(2024年)7月29日に、超音波診断装置(エコー)による検査を行なったところ、胎仔は確認できませんでしたが、羊水を容れた子宮らしきものが確認できました。改めて8月14日に超音波診断装置(エコー)による検査を行なったところ、左下腹部に子宮の羊水内の胎仔が認められたため、妊娠の確定診断としました。
エコー画像(令和6年(2024年)8月14日撮影)
〇の中に見える白い部分が羊水に浮かぶ胎仔。画像上部が腹壁側。
(3)出産予定時期
令和7年(2025年)8月~10月(ゾウの妊娠期間は通常20~22か月)