飼育係のasazooブログ! 動物の様子や飼育の話題など安佐動物公園の日々の様子を飼育係がお届けします!

2021/12/08ゾウの壁画が修復されました!!!

  

皆様こんにちは!ゾウ担当です。

   

ゾウ舎横に位置する、原寸大のアフリカゾウの壁画。

安佐動物公園を訪れたことのある方は、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

  

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この壁画が描かれたのは、なんと今からちょうど30年前・・・

しかも!描いたのはプロの業者でも芸術大学などの学生さんでもなく

当時アフリカゾウを担当していた飼育係なのです!

  

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モデルとなったのは、当時飼育していた雄のサバンナゾウ「キョウタ」。

当園が1971年に開園したときに来園した雄ゾウです。

ちなみに・・・現在、「キョウタ」は園内の「動物科学館」で骨格標本として展示されており、今なお来園者にゾウのことを伝え続けてくれています。   

  

    

   

さて、そんな壁画も月日が経つにつれ少しずつ色あせてしまいました。

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そして今回、当時壁画を描いた安佐動物公園のOBでスーパーレジェンド飼育係のF氏がボランティアとして、再び修復してくれることになったのです!!!!

   

11月18日、この日は修復初日。

なにやらブラシで壁をこすっています。聞くところによると、色を乗せやすいように前の塗料を落としているとのこと。

とりあえずこの日は全体を削って終了。なにせこの大きさなので、全体を削るのにも時間がかかります。

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11月25日、この日は色を塗っていきます。

使用するのは、塗料を噴射できるガンタイプの道具。恥ずかしながら初めて見ました・・・

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噴射量や壁との距離を調節することで線を描いたり、全体を塗ったりするそうです。

一通り塗り終わって終了。本当にうまい・・・立体感が出て迫力があります。

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12月2日、いよいよ仕上げです。この日の作業のメインは、輪郭を描くこと。

黒色を使って少しずつ線を描いていきます。

色を塗るときもそうですが、あまりに大きいため、近くで作業していても画がどうなっているのか分かりません。なので、逐一離れ全体を眺めては塗るという作業を繰り返していきます。

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最後には、筆で目を描いて完成!!まさに命が吹き込まれたようです。

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十分完成度は高いですが、本人はまだ納得されていないようです・・・すごい・・・

   

   

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そして、注目してほしいのは、ここ! 後足を交差しています。

上の「キョウタ」の写真を見ても交差させているのがわかりますが、現在安佐動物公園で飼育している「タカ」も同じように交差することが多いです。

このような細かい表現が、壁画のリアルさを増しています。

   

今回の修復作業を目の当たりにして、しっかりとこの技術を引き継がなくては!と感じました。

このレベルに到達するにはまだまだ時間がかかりますが、この壁画をしっかり残していきたいと思います!

  

   

最後に、ちょっと小話。

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おやおや、こんな晴れた日になぜ傘を差しているのでしょうか??

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実は、この日は日差しが強く、画が反射して細かい部分が見えにくかったのです。

即席でブルーシートと傘を使ったというわけでした。

  

今週末には既に多くの来園者の方が写真を撮られていました!

安佐動物公園を訪れた際には、ぜひ記念撮影としてご利用してください!

                                    HR