2020/11/11ペンギンぷーるの日常④ 巣材
全身の羽根が生え変わる換羽期が終わり、
いよいよペンギンたちが繁殖期に入りました。
繁殖期に入ったなぁと感じる点はいくつかあります。
まず、ペアのふだんいる場所が変わります。
野生では、換羽の際、海風を利用するために海岸沿いに集まります。
動物園では、プールの前に立って、換羽期を過ごすことが多いです。
Fig.1 換羽期、ぷーる前に立つ"あーちゃん"
これが、繁殖期に入ると、ペアで決めた巣穴にこもることが増えます。
次に、ペア間での鳴き交わしが増えます。
デュエットのように「ぼぁぁああ」「ぼぁぁああ」とお互いに鳴いたり、
「ひゅるるひゅるる」と相手を誘ったり、
雄ペンギンが雌ペンギンに翼をぱたぱたして抱擁したりします。
そして、とにかく巣材を探そうとします。
ペンギンぷーるの上から落ちてくる落ち葉や小枝を拾って巣穴に運びます。
そこで、ペンギンたちが納得いくまで運んでもらおうと、巣材を用意しました。
濡れて朽ちたりせず、かびが生えないような素材で。
誤って飲み込まないように長く、でも巣穴に持ち運べる短さで。
と考えた結果、レッサーパンダの食べ残した竹を譲ってもらうことにしました。
竹が気に入らなかったら・・・と思い、石も置いてみることに。
Fig.2 設置した巣材
巣材を初めて置いた10月10日、雄ペンギンたちの間で巣材運び競争が繰り広げられました。
とにかく自分の巣穴へ!とものすごい駆け足で運んでいました。
Fig.3 巣材を運ぶ"くろちゃん"
毎日、巣材を用意すると、次第に選り好みするようになりました。
敷いたときにふわっとする葉がついているような枝先が人気のようです。
"ももちゃん"とペアの"あーちゃん"が懸命に運んだ結果がこちら。
Fig.4 巣穴にこもる"ももちゃん"
"らーちゃん"とペアの"くろちゃん"も健闘しましたが、人気の枝先は少なくこんな感じに。
Fig.5 巣穴にこもる"らーちゃん"
足ることを知らないのか、とにかく集めたくなるのか・・・
11月半ばですが、毎日雄ペンギンたちは頑張っています。
ちなみに雌ペンギンは、あまり運ばないと言われていますが、
"らーちゃん"は雄たちの集団をやり過ごして運んでいるときがありますよ。
ペンギンたちが上手に運ぶ姿を見に来てくださいね。
(手っ取り早くみたい方は↓のURLから動画をご覧いただけます)
https://www.youtube.com/watch?v=HWTGdQpf7DY
余談ですが、石はまったく興味がないようです。
野生では草を巣材にするそうなので、長細いものを巣材と認識するのかもしれません。
(いち)