飼育係のasazooブログ! 動物の様子や飼育の話題など安佐動物公園の日々の様子を飼育係がお届けします!

2022/02/04ことりの家のおはなし

みなさんこんにちは。たかたかです。

最近は日中も寒い日が多いですが、体調はいかがでしょうか。

今日は 、自分の副担当である"ことりの家"で出会った

この黄色い小さな生き物についてお話したいと思います。

姫ウズラ 雛.jpg

20211015日撮影

これは昨年10月のおはなし・・・。

このころ、ことりの家の地面には、毎日たくさんの卵が産み落とされていました。

ウズラとヒメウズラの卵です。

(現在ウズラとヒメウズラは鳥インフルエンザ対策のため隔離施設にて飼育しております。)

ウズラもヒメウズラも、産卵しても抱卵をしないことが多いですし、

抱卵したとしても途中で放棄することが多いため、

自然に孵化することはあまりありません。

しかし、時々辛抱強く何日も抱卵し続ける個体もいます。

昨年の10月ごろは、頑なに抱卵し続ける個体がたくさんいて、

何羽かでまとまって抱卵していることが多かったので、

放飼場の何ヵ所かに抱卵スポットができていました。

そのうちの一番個体が多かったスポットがこちら。

姫ウズラ 抱卵 →つき.jpg

抱卵するヒメウズラのメス4

ある日の朝、いつも通り展示場の中を歩いていると

最初の写真であげた黄色い小さな生き物が

私の長靴に向かってコテコテこけながら走ってきました。

あまりの勢いに

「なになに、え、誰?ちっさ!」

と驚きつつも、踏まないようにものすごく気を付けながらしゃがみ、

手にのせました。

それはそれはもう小さくて小さくて・・・

姫ウズラ 雛3.jpg

20211015日撮影

とっても元気な孵化して間もないヒメウズラの雛でした。

その後さらに3羽発見し、計4羽の雛が自然に孵化していました。

ちょうどその日あたりから急激に気温が下がり始めたこともあって、

4羽とも保育器で人工育雛することになりました。(ことりの家は屋外施設でとても寒いのです。)

残念ながら1羽はすぐに亡くなってしまいましたが、

残りの3羽はすくすくと育ちました。

姫ウズラ 雛 4.jpg姫ウズラ 雛2.png

20211015日撮影

私の親指ほどしかなかった小さな雛たちは、約半月でこんな姿に!

姫ウズラ 雛 亜.jpg

113日撮影

頭だけまだピヨピヨですが、体はすごい勢いで白い羽に覆われていきました。

11月に入ると寒い日も増えてきたので、少しずつ寒さに慣れてもらいつつ、

127日には群れに合流できました。

姫ウズラ 群れ.jpg

1217日撮影:ウズラとヒメウズラ

写真に写っている白い個体のうちどれか3羽がそうなのですが、

個体をあまり意識せず写真撮影したので、

この写真を見てもどの個体がその3羽なのか正直全然わからないです、すみません。

しかし、みんな隔離施設で元気に過ごしていますので、

また会える日を楽しみにしていてくださいね!

そしてここでちょっとした番外編

2枚目の写真で

ヒメウズラ4+1羽別の鳥が写っていることに皆さん気が付きましたか?

姫ウズラ 抱卵 →つき(キンカチョウ).jpg

抱卵するヒメウズラたち(2枚目と同じ写真)

キンカチョウの亜成鳥(巣立ち後で幼鳥と成鳥の間の若い鳥)が真ん中にいます。

亜成鳥は、うまく飛べなくて地面にいることも多く、

寒い日は、写真のようにヒメウズラの抱卵スポットで暖を取る個体を

よく見かけます。

一方、別のスポットでは・・・

抱卵していたヒメウズラが少しだけ食事に出かけている隙に

その卵を抱卵してみている?キンカチョウの成鳥もいました。

キンカチョウ 姫ウズラの卵抱卵.JPG

ヒメウズラの卵の上にのるキンカチョウの成鳥

サイズ感ちゃうよ、君の体にぜんぜんおさまってないぞ。

と思いながらも、ヒメウズラが出かけるたびにやってくるその姿が

なんだかとても愛おしかったです。

以上、2021年後半の"ことりの家"のおはなしでした。

2022年もよろしくお願いいたします。

たかたか