2022/01/28忘れないでね、ハイラックスのこと19
皆様こんにちは!ハイラックス担当です。
今回は、最近何かと話題となっている「ハイラックス団子」について紹介したいと思います!!!
と言いつつも、「ハイラックス団子」については前回も紹介しました。
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繰り返しになりますが、ハイラックスは哺乳類のわりに体温調節の能力が低いため、
寒いときは体を寄せ合い、体温が逃げにくいようにしています。
まさに、「おしくらまんじゅう」、、、いや、「おしくラックスまんじゅう」状態ですね。
さて、ケープハイラックスは1日のうち約7割以上を日光浴や隠れ家の中で過ごすことが観察されており*、95%を休息に費やすとも言われる**、非常に「省エネ」な動物です。
そんなハイラックスの休息には、大きく3種類の方法があるとされています**。
一つ目が、「solitary resting」。これは分かりやすいですね、「1頭での休息」です。
日光浴をしているときなど、動物園でもよく観察されます。
二つ目が、「huddling」。直訳すると、「群がり」。
そして三つ目が、「heaping」。直訳すると、「山積み」。
ん?「huddling」と「heaping」ってなにが違うんだろう???
続きには、こう書かれています。
「huddlingはheapingに似ているが、個体同士の積み重なりがない・・・」
細かっ!!!笑
動物園でもそれらしき行動が見られることがあります。
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重なりのない「huddling」?
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重なりのある「heaping」
そう!!これこそが、安佐動物公園の冬名物「ハイラックス団子」です。
これらの休息方法は、気温や場所に応じて使い分けているようで、
寒くなるにつれて、「solitary resting」→「huddling」→「heaping」と変化させるとか。
また、重なり合う「heaping」は隠れ家の中で形成することが多いようです。
へぇ~~。でも、英語だとわかりにくいですね・・・ということで、団子にしちゃいましょう!
「solitary resting」→「温泉まんじゅう」
「huddling」→「三色団子」
「heaping」→「月見団子」
と、置き換えてみます。
寒くなるにつれ、「温泉まんじゅう」→「三色団子」→「月見団子」となるわけです。
さて、イメージできたところで、ハイラックスに戻しましょう。
つまり、こういうことです。
温泉まんじゅう・・・1頭で休息する「solitary resting」
三色団子・・・重なりのない「huddling」
月見団子・・・重なりのある「heaping」
もう覚えましたか?
少々ふざけすぎましたが、今回は「ハイラックス団子」について深めてみました。
ちなみに、野外では冬でも「huddling」や「heaping」が観察されなかったり*、
「huddling」から「heaping」になりかけ・・・みたいな状態もあるそうです**。
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こちら、上で紹介した「huddling」らしき行動の1分後に撮影されたものです。
左奥の個体が上に乗り、まさに「huddling」から「heaping」に移行している様子にも見えます・・・
これらの行動は、動物園でも見られたり見られなかったりするため、周りの環境や群れの構成によって変わるのかもしれませんね。いつか野生で観察してみたいものです。
さて、今回はここまで!ハイラックスは非公開が続きますが、ぜひゆっくり動物を観察してみてくださいね!
HR
* Fourie,L.J.(1983):The population dynamics of the rock hyrax procavia capensis (Pallas,1766) in the Mountain Zebra National Park :PhD thesis,Rhodes University,South Africa.
** Sale,J.B.(1970): The behaviour of the resting rock hyrax in relation to its environment. Zoologica Africana, 5: 87-99.