2021/10/0250周年だョ! 動物園 byアフリカ平原
キリン舎に引き続き、今回はアフリカ平原の50年前をご紹介します。
▲現在のアフリカ平原
アフリカ平原と呼ばれる、大きな草原。
柵ではなくモート(堀)で仕切ることで、まるで同じ展示場にいるかのように見せる展示場です。
現在のキリン・シマウマも、実際は区切られた展示場にそれぞれいるのですが、同じ展示場にいるように見えるため、お客様からは「キリンとシマウマはケンカしないの?」とご質問を受けたりします。
実際にはふれあうことの出来ない距離にいるので、ケンカは起きませんが、お互い意識はしているようで、昨年生まれた子どものキリンたちは、時々興味深そうにシマウマたちを眺めています。
さて、青々とした草原が広がるアフリカ平原の50年前の姿は・・・
▲開園当初のアフリカ平原
まだ整地されたばかりで、すっきりとしています。
動物たちも歩きやすそう。
当時のアフリカ平原は2本のモートで3つの展示場に仕切られています。
この広い展示場の中に、キリン、ヌー、エランド、シマウマ、ダチョウがそれぞれ同居しながら展示されていました。
こちらの写真ではキリンは単独、それ以外の種が混合飼育されているようですね。
▲手前はキリンの展示場、モートをはさんでダチョウ、シマウマの展示場
写真では広々とした平原でアフリカ産の動物たちが穏やかに過ごしているように見えますが、
はじめから安定した展示が出来ていたわけではなかったようです。
園内の書庫には、飼育係が毎日記録する『飼育日誌』が50年分保管されているのですが、動物たちを導入した頃の日誌には、なかなか展示場に出て行かない個体がいたり、出て行っても他種の闘争から逃げてケガをしてしまう個体がいたりしたそう。
同居させる動物種を変更しながらどの組み合わせがいいのか、日々動物たちを観察し、試行錯誤しながら向き合っていた様子が記録されていました。
当時の日誌を読むと、新しく飼育や展示を始めることがいかに難しいかよくわかります。
50年の歴史があってのアフリカ平原。
現在は飼育種数は減って、放飼場のモートも1本埋めて、草地エリアではキリンとダチョウ、砂地エリアではシマウマの群れを展示しています。
開園当初にはなかった『キリンテラス』や『サバンナテラス』といった、動物たちをより近くで観察できる観覧スポットも新しく作られました。
▲エランドが使用していたちょっと低めの屋根をキリンが使用したり、
モート沿いには、動物たちが不注意で落下しないよう岩や丸太が置かれるようになったり、
50年の間少しずつ変わった展示場
長い年月を経ると飼育動物種や個体数が変わったり、それに合わせて動物たちの見せ方も変化します。
過去の写真と今の動物園を見比べると、その時その時の少しずつの変化が積み重なって今の安佐動物公園の景色があるのだなあと、感じます。
50年たって老朽化した施設や獣舎が増えてきた安佐動物公園。
現在、新しい獣舎の建て替え計画が進んでいます。
キリン舎・シマウマ舎も建て替え計画の中に含まれていて、数年のうちに建て替える予定です。
果たして数年後、アフリカ平原ではどんな景色が見れるのか、今から楽しみです。
(めん)