2020/05/10子キリンがミルクを飲めるようになるまで
みなさんこんにちは。
動物園日和が続いていますが、安佐動物公園も休園することになり、
毎日園内が静かでとても不思議な感じです。
動物園が休園していても、動物たちに生活は変わらず続いています。
こちらはすっかり上手にお母さんのおっぱいからミルクを飲めるようになった子キリン。
▲ごきゅごきゅと音をたてながら飲んでいます
今でこそ自然にお母さんからミルクを飲んでいますが、前回のブログでもお話したように、
生まれて数日は人がミルクを与える『人工哺育』をしていました。
この『人工哺育』、一般的にイメージされるであろう「哺乳瓶でごきゅごきゅとミルクを飲む」という
状況に行きつくまでは、実は少しばかり時間がかかりました。
人工哺育をすることを決めた初日、さっそくミルクを飲んでもらうために
哺乳瓶を子キリンの口にくわえさせましたが、なかなか飲んでくれません。
おなかはすいている様子なのに、いやいやと逃げてしまいます。
▲哺乳瓶を嫌そうにする顔・・・
お母さんキリンのおっぱいに似た形の、ヒト用の哺乳瓶を用意してみたのですが
やっぱり本物とは違うのか・・・
▲キリンのおっぱい
▲ヒト用の哺乳瓶の口
飲めるようになるまで待ちたいところですが、そういうわけにもいきません。
そんな時は、口から長い首を通して胃にチューブを入れ、直接流し込みます。
これが結構苦しそうで、できることなら避けてあげたい人工哺乳方法です。
早く哺乳瓶で飲めるように、ミルクタイムのたびに哺乳瓶練習をしつつ、
足りない量をチューブで飲ませていました。
1日目、2日目のミルクタイムではうまく飲めるようにはなれず、
哺乳瓶の傾け具合とか、くわえさせる位置とか、
あるいはヒトの哺乳瓶でダメなら、他の動物用ではどうかな?
と手をかえ品をかえ試してみたところ、3日目にウシ用の哺乳瓶に変えたとたん、
少しずつですが自分からミルクを飲み始めました。
「これがこの子の正解だったのか~」
と獣医さんともども安堵して、そこからはチューブを使うことなく
ミルクタイムを終えられるようになりました。
▲しっかりと哺乳瓶に吸い付いている子キリン
これで嫌な思いをさせずにミルクを飲ませることができるとほっとした翌日、
お母さんのおっぱいからミルクを飲み始めました。
毎日劇的に成長してゆくのだなとびっくりしたと同時に、
たった3日で手をはなれてしまったようでちょっと寂しい気持ちも沸きましたが、
やっぱりお母さんのミルクで育ててもらうのがいちばん!
▲母親のメグミとおっぱいを吸う子キリン
それから数日間は、お母さんのミルクが足りない可能性も考え人工ミルクを与えていましたが、
今はお母さんのおっぱいからしっかりと飲めるようになり、人の手からはミルクを飲まなくなりました。
お母さんのミルクを毎日ごきゅごきゅ飲みながら、最近は木の葉や草も食べるようになってきました。
成長が早くて、毎日の変化にびっくりさせられっぱなしです。
(めん)