2022/03/27私とシマウマ
みなさん、こんにちは。
のしんです。
ポカポカと暖かい日が続くようになりましたね。
冬眠から目覚めた生き物たちや梅の花を眺めて春が来たなぁ・・・と思っているうちにあっという間に3月も終わりに近づき、桜の季節になってしまいました。
今日は私が飼育担当になった当時から現在までのグラントシマウマのお話をしたいと思います。
今からおよそ6年前の4月から私は安佐動物公園で飼育係として働き始め、それ以来ずっとシマウマの飼育を担当しています。
私が担当になった当時はオス7頭、メス11頭の全部で18頭のシマウマがいて、担当になった時にはまず何よりも飼育頭数の多さに驚愕しました。
安佐動物公園ではシマウマ担当者の最初の試練は部屋を間違えずにシマウマを入舎できるように全てのシマウマの名前と見分けるポイントになる顔の縞模様の違いを覚えることなのですが、私の場合は4日ぐらいかけてなんとか覚えた記憶があります。
そして飼育係になってから3週間余り、4月の末には早くも私がシマウマ担当になって初めての子供「キョウ」が生まれました。
こちらは生後間もない頃のキョウとお母さんのアンズの写真です。
その後もどんどん子供が生まれて飼育頭数は増え続け、その年の10月には安佐動物公園史上最多となる23頭に達しました。
当時の群れの写真がこちらです。
でん!
ででん!
それこそ近くで撮影すると写真に映りきらないぐらいたくさんいました(笑)
グラントシマウマは野生下で1頭のオスが複数のメスとその子供を従えた「ハレム」と呼ばれる群れを作り、ハレムを持っていない若いオスは集まってオスだけの群れを作ると言われています。
23頭いた当時は放飼場で5つ程度のグループがひしめき合っていました。
その後も毎年たくさん子供が生まれましたが、他の動物園にたくさん搬出し、病気などで亡くなったシマウマもいて、現在の飼育頭数は14頭まで落ち着いています。
また数年前からはオスとメスを完全に分けて飼育しています。
主な理由は、近く控えたシマウマ舎再整備の工事期間中に放飼場の使用可能なエリアが狭くなってしまうので、出舎頭数を減らし、メスをめぐる激しい闘争が起きないようにするためです。
オスとメスを分けて飼育することで繁殖を制限し、工事期間中にこれ以上頭数を増やさないという狙いもあります。
こちらは現在のオスの群れ。全部で10頭のシマウマがいます。
メスと離して飼育しているため、メスを巡って激しく争うことはありませんが、ケンカや力比べをして順位にこだわる活発な姿は変わらず観察することができます。
続いてこちらは現在のメスの群れです。全部で4頭のシマウマがいます。
オスと比べると展示頭数が少なく、闘争もあまりないので全体に落ち着いた雰囲気です。
一番右にいるシマウマが末っ子のミイハで、今年の3月18日に1歳の誕生日を迎えました。
次の2枚は生まれて間もない頃のミイハの写真です。
大人と比べると、体毛が長くてふわふわして、黒縞は少し薄い色をしていますね。
小さかったミイハも1年間でとってもたくましく成長しました。
お母さんのマリアと並んでいる写真を生まれた直後と現在で並べてみると成長ぶりがよくわかります。
どちらの写真も右にいるのがミイハ、左はお母さんのマリアです。
お母さんと大きさはあまり変わらなくなってきましたが、毛並みや体の色はまだ子供の特徴が見られ、今でも時々お母さんのお乳をのむ姿を観察することができます。
シマウマ舎の再整備が終わるまでの間、オスとメスを完全に分けて飼育・展示する状況が今後もしばらく続くので、当面の間はミイハが最後に生まれた子供になります。
安佐動物公園の見どころの1つであったオスメス混合の群れ展示ができず、新たに生まれてくる赤ちゃんの姿をお見せできないのは担当者としても非常に残念ではあるのですが、再整備に向けた準備期間ということでご理解いただければと思います。
展示頭数は少なくなってしまいますが、今後はより1頭1頭に注目していただけるように看板等も工夫していく予定です。
みなさま、今後も安佐動物公園のシマウマたちをよろしくお願いします!
(のしん)