2020/10/12忘れないでね、ハイラックスのこと9
皆様こんにちは!!
ハイラックス担当です。
さて、前回ハイラックスの牙(上あごの門歯)について解説しましたが、
今回は他の歯も見ていきます!
これが下あごの門歯です。
前回の記事でも書きましたが、上あごの門歯が1対であるのに対し、
下あごには2対あります。
形も上の門歯とは異なり、鋭くありません。
また、一生伸び続けることもないのです。
この歯にはどのような役割があるのでしょうか・・・
そう思って調べてみると、ある記述に出会いました。
「下あごの歯を使って、毛繕い(けづくろい)をする」というのです!!*
門歯を使って毛繕いをしていることは実際に観察していたのですが、
私は鋭い上の牙を使っているのだと思っていました・・・
実際に毛繕いしている様子がこちら。
不意に行われ、短時間であることが多く、
なかなか上手く写真が撮れません・・・
イラストイメージも入れておきますね。
もしかしたら、この他にも何か役割があるのかもしれません。
知っている!という方はぜひ教えてください。
ちなみに・・・
毛繕いに関しては、別の方法がよく観察されます。
その詳細は次回解説しますね!
ここまで、上下の門歯を見てきましたが、かなり特徴的でした。
ところで前回、前歯(門歯)は、一般的に「草をちぎるために使う」と書きました。
しかし実は、ハイラックスは葉や草をちぎるのに門歯を使うことはあまりありません。
彼らの採食を観察していると、奥歯(臼歯)でちぎっていることが確認できます。
では、一緒に見てみましょう。
まず、葉の根元にある細い枝を臼歯にもっていき、
プチっとちぎって食べます。
分かりにくいですね・・・
もう一度見てみましょう。
枝を加えて・・
プチっと。
分かりましたか??
よく分からない!!という方は、
公式ツイッターやYoutubeにハイラックスの採食シーンをアップしていますので
そちらをぜひご確認ください!!
野生でも同様に報告されてますが、
エサが遠くにあるときなど、場合によっては門歯を使うこともあるようです。*
そして、臼歯はエサをすりつぶすのに使われます。
こんな風に凸凹しているのも、咀嚼や植物をちぎるのにきっと役立つのでしょう。
次回は、ハイラックスに肢に注目していきます!お楽しみに!
HR
*Fourie,L.J.(1983):The population dynamics of the rock hyrax procavia capensis (Pallas,1766) in the Mountain Zebra National Park :PhD thesis,Rhodes University,South Africa.