2021/06/10最近のキリン舎のようす
みなさんこんにちは。
5月に臨時休園になり、さらに3週間、休園が延長されました。
園内は来園者の話し声が聞こえない代わりに、除草作業など休園日ならではの音が毎日聞こえています。
臨時休園中の出来事ですが、公式HPでお知らせしたように先月、ギプスをはめて暮らしていたキリコの足が急激に悪化したため、麻酔をかけた上で安楽殺を行いました。
安楽殺に至った経緯は、お知らせ「アミメキリンのキリコについて」に記載しているとおりです。
昨年の2月に事故で後ろ足を負傷し、ギプスを巻いて過ごしていたキリコ。
ギプスが劣化しないよう雨の日は部屋で過ごさせたり、関節の変形を少しでも遅らせるように蹄を切って整形したり、肺炎の症状や足の痛みを抑えるために、薬もずっと飲んでもらっていました。
この1年余り、キリコにはいろんな我慢をさせながらの飼育状況だったと思います。
キリンの群れでは、年長の雌がリーダーになる場合が多く、キリコも例に漏れず、若いキリンたちにとても頼りにされている群れのリーダーでした。
キリコが頼られているのは一目瞭然で、キリコが動けば他のキリンたちも合わせて移動するので、飼育係も群れを移動させるときはキリコを頼ってばかりでした。
キリコは他のキリンのことも飼育係のこともよく見ていて、とても賢い一方で、自己主張も強く、部屋に入りたいときは目で訴えかけてきたり、不満があるときは人に対して頭突きをしようとしたり、強気な一面もありました。
頼りにしていたキリコがいなくなって、しばらくはキリン舎内がなんとなく不安定でしたが、少しずつ落ち着いてきています。
キリコはギプスを巻く何年も前から、過超蹄や変形蹄といった「蹄のトラブル」を抱えていました。
お知らせの最後にも記載しているように、今回の事態の根幹をたどれば蹄のトラブルが原因のひとつと言えます。
蹄の悪いキリコに対して、伸び過ぎた蹄を定期的に切れるように訓練も進めていました。
キリコも蹄を切るための動作に協力してくれるようになっていたのに、改善することができなかったことが悔やまれます。
これまで以上に蹄の管理にも注力して、残されたキリンたちが長く健康に過ごせるよう、飼育していかなければと改めて痛感しています。
最後に、
訃報をご覧になった方から、キリコへのお花が届きました。
素敵なお花をありがとうございました。
キリコは安佐動物公園生まれで、24年5ヶ月の間アフリカ平原の展示場でたくさんのお客様をお迎えし、
たくさん声をかけていただいた個体でした。
今までキリコを愛していただき、本当にありがとうございました。
(めん)